The Digital Cataloger

インターネット時代の図書館目録

Vol.4 第3節 目録の共有

前回書いたように、図書館目録というのは、

書誌 + 所蔵情報 = 図書館目録

という構造をしています。

初期の頃の図書館は、それこそ、それぞれの図書館が、自分の図書館にある本を、それぞれノートなり、カードなりに記録していたと思うのですが、スグに気づくとおり、所蔵情報は各図書館によって違いますが、本の情報である書誌につていは、本来、どこの図書館で記録しても、(目録規則の解釈の違いや、版や刷りの違いを捨象すれば)全く同じになるはずです。

すると、さらに気づきますが、この部分については、誰かが作ったモノをみんなで共有すれば、それだけいろんな意味でのコストの削減になりますし、利用者への資料の提供も早くなるはずです。

で、ここは教科書ではないのでこれまでの歴史は大きくカットし(笑)、現在の状況は、おおまかに、2つの大きな仕組みでこのコトを実現しています。

ひとつは、主に大学図書館の目録であるCiNii Booksというデータベース。

これは、参加している大学図書館が同じデータベースにアクセスしていて、どこかの図書館が作成したある本の書誌データに、「あ、その本、ウチの図書館も持ってる!」というコトで、自分の図書館の所蔵情報をくっつけて、参加館全体の総合目録を構成するという仕組みになっています。

なお、こういった仕組みのため、複数の館が同じ本についての書誌を作るコト(「書誌割れ」といったりします)は許されず、あとからでもそういった例が見つかったら、どちらかの書誌に統合する等の書誌調整が行われます。

現在は、実にありがたいコトに、このデータベースは一般にも公開されていますので、このサイトである本を検索すると、その本を所蔵している(主に)大学図書館が一気に分かるという訳です。

一方、公共図書館は、民間会社が作成した電子的な書誌データ(のちのち詳述しますが、「MARC(マーク)といいます)を購入し、その電子データを自分の図書館のデータベースにインストールし、それに各図書館の所蔵データをつけています。

こういった仕組みなので、自分の館が購入しているMARCにはない本を受け入れた場合は、なんらかの方法で自分たちで書誌データを作る必要があります。また、先に購入したMARCに間違いがあった場合は、自分たちで直したり、作成会社に依頼して、修正データを送ってもらったりします。

で、ややこしいのですが、今度は、その各図書館の目録データを集めて、同じ本を持っているトコロをくっつけて、結果的に、先ほどのCiNiiと似た見え方をさせているのが、国立国会図書館国立国会図書館サーチとなります。

ところで、この各図書館の目録を集める方法にも、大きく分けて2つあり、事前に各図書館からデータをもらっておく「集中型」と、必要な時に、各図書館がホームページで公開している目録(「Web-OPAC(ウェブオパック)といいます)を機械的に検索して、その都度、情報を集める「横断型」があります。

それぞれ、長所と短所があるのですが、大きな流れから言うと、集中型主流から横断型が主流になり、また、再度、(新しい形の)集中型に戻りつつあるように思います(ちなみに、国立国会図書館サーチは集中型ですが、方式は変わっています)。

以上のように、みんなで協力して目録作成の労力を軽減し、一般に広く公開していこうというのが大きな流れです。

もちろん、これ自体は素晴らしいコトですが、ただ、いつも他の図書館が作った目録に乗っかるだけだったり、購入したデータをそのまま使うだけになったりすると、図書館の中に、図書館の根幹である(と、個人的には考える)目録作成のノウハウや能力がなくなってしまいます。

効率を考えればいたしかたないのですが、果たして図書館としてそれでよいのかな?というのが、個人的な意見です(我田引水ですし、電力会社が「原発は必要!」と言っているようなモノかもしれませんが(笑))。

つづく