The Digital Cataloger

インターネット時代の図書館目録

Vol.1 はじめに

突然ですが、今回から、目録に関する連載を始めたいと思います。
よろしくお願いいたします。

さて、今、みなさんが、何かの理由である本が読みたくなったり必要になった場合、まず、どのような行動をとるでしょうか?

おそらく、Google(を含む検索エンジン)や、Amazonを検索するのではないでしょうか。

つまり、本の検索に特化した図書系の目録データベースではなく、他のインターネット上の情報や、本以外の商品までも含むデータベースで検索するという訳です。

そして、運良く探している本がヒットしたら(大抵、見つかります)、おそらく、その結果から貼られているリンクをたどって、その場で注文するかもしれないですし、モノによっては、電子書籍版を即座にダウンロードするかもしれません。

いずれにしても、そのように、現時点で入手可能な本であれば、そこで問題は解決します(もちろん、手持ちの資金があればですが)。

しかし、すでに絶版等の理由で在庫がなかったり、そもそも、書店での取り扱いがない本の場合は、どうでしょう?

この場にいたって、みなさん初めて近所の図書館や大学図書館のWebサイトにいくのではないでしょうか。

しかし、今度は、別の問題が。

たまに使ってみればお分かりだと思いますが、他の検索エンジンと違って、図書館の目録データベース(OPACオーパック、オパック)。インターネット上で提供されているOPACを、特にWeb-OPACと言う場合もあります)は、とにかく、圧倒的に使いにくい。
なんでも思いついたコトバを入れればどうにかなる検索エンジンと違い、そもそも、ちゃんとした使い方がよく分からないし、間違いなくあるはずの本ですらヒットしないコトもある。

なにせOPACは、たった一文字間違っているだけでヒットしませんし(『安倍公房全集』を『安部公房全集』と入力したらアウトです)、項目によっては、統制語(おいおい出てきます)で管理されているため、検索エンジンのように好きな言葉(統制語に対して自然語という)を入れて検索するコトもできません(というか、相手にしてくれません)。

だから、本を探すのは、本来なら図書館の"独壇場""専売特許"のはずなのに、今では、完全に検索エンジンの後塵を拝していますし、なんなら、図書館の職員まで、本のデータの確認に検索エンジンを使うようになっているのです。

なぜ、こんなことになってしまったのでしょう?
図書館の目録は、まったく使いモノにならないのでしょうか?

いや、そんなことはない(はず)です。

図書館のOPACが現在のようになったのには、それなりの理由がありますし、また、他の検索エンジンにはない長所もあります(あるはずです)。

実際に図書館の中のヒトになってみると分かりますが、ボクなんかが足元にも及ばない(というか、比べることすら失礼な)優秀な方々が、非常にまじめに、丁寧かつ真摯に、日々、よりよい図書館目録を構築するために努力されています。
ただ、いろんな意味で、インターネットが登場する以前の図書館目録をそのまま引きずっているというきらいはあるかもしれません。

それでもまだ、それが、図書館の世界にとどまっている間はそれでよかったかもしれませんが、現在のように、他の電子情報と一緒に図書館のデータも使われるようになってくると、そうも言ってられません。
図書館目録が、インターネットという白日にさらされるコトで、その前近代性(?)があらわになってしまったのです。

現在は、図書館界でも、その反省に立ち、改めてインターネット時代に対応した図書館目録を構築していこうという動きはありますが、その成果がみなさんの目に見える形で明らかになるのは、もう少し先になるような気がします。

そこで、それまでの間、図書館の目録がどうしてこのような姿になったか、また、どんな仕組みになっているかを知れば、納得はできなくても(笑)、使い方のヒントにはなるでしょうし、もしかしたら、少しは目録を好きになるかもしれません。

この連載では、図書館目録というモノの概要を知っていただき、知らなかったコトによる不便や誤解を少しでも解消していただき、最終的にみなさんの資料探しのお役に立てれば、これ以上の喜びはありません。

あなたのお探しの本は、わざわざ隣町の大きな書店に行ったり、Amazonから郵送される数日を待たなくても、実は、歩いて行ける近所の図書館にあるかもしれないのです。

つづく